「Cruise(TAAR Remix)」リリース記念 marsh willow × TAAR スペシャル対談
~出会い、お互いの印象~
T:多分、出会い方は僕がInstagramでDMしたのがきっかけだったと思うんですよね
M:そうですね。DMいただいてありがとうございます。
T :多分もう3年ぐらい前になるんですが、 marsh willow君が弾き語りとか、あと自分の作ったトラックにベースを弾いたりしたものをインスタに上げてて。
M :そうですね。まだ、lo-keyも結成してなかったので、3年以上前ですね。
T :当時FKJだったりTom Mischだったり、Masegoとか、なんていうんでしょう、 色んな楽器を1人で弾いてプロデュースして、作品を出していくマルチインストルメンタルアーティストが結構増えてきている時期で、そういう世界的な動きみたいなところから、その日本国内でそういうアーティストっていないのかなと、ちょっとアンテナを張ってた時期なんですよ。
そしたら、なんかたまたまインスタグラムで、曲をあげているカバーだったり、オリジナルだったりをあげてるmarsh willow君を見かけて、めっちゃかっこいいっすねみたいな感じでSNSナンパをしたのが、始めましての出会いでしたよね(笑)
M:そうですね。当時、僕は普通に大学生で、曲もお試しでちょっと出してみたりとかSoundCloud乗っけてみたりという状況で、そんな中で、いきなりあのTAARさんからメッセージいただいて、大学の授業の休み時間に気づいたんですけど、すごいびっくりしたことだけ覚えてます。めちゃめちゃ嬉しかったですね。
T:うん。完全に僕の悪癖だよね。 悪癖から出会ったやつですね。
でも何かこういう出会い方ってすごいね。現代らしい出会い方だなって思ってて。完全オンラインで 実際に会ったことないもんね。
M:いやありがたいです。今でもまだお会いしたことなくて
T:それからときを経て、lo-key designっていう名前で活動されるようになって、その活動は定期的に
チェックしていましたね。
曲をリリースする度に聴いていたり、salto君の歌もすごく良くて (M :ありがとうございます。)
T :marsh willow君は自分で歌えるのにね。わざわざボーカリストの人と一緒にユニットを組むっていう気概が凄く今っぽいっていうか、自分自身も歌えるプロデューサーであるにもかかわらず、本職のシンガーとして活動してきた人と一緒に作る作品っていうのは、 やっぱり歌心がトラックの構成の中とかにも反映されていて、そういう印象をローキーさんの楽曲からは感じます。
(M:めちゃめちゃ嬉しいです。)
T:いやいや、僕すごい羨ましくて、僕自身、歌とかあまり歌わないので、自分のアルバムの中でおまけみたいに歌っている曲とかはあるんですけど…なんていうんでしょうね。ちゃんと歌心を分かっているなっていう印象です。トラックがかっこいいだけじゃないっていうか。
M :そうですね。lo-key designは僕がビートを作る担当でして、ただ結構メロディーとかも考えたりとかしてるので、多分、そういう所でTAARさんは、感じてくださってるんじゃないかな。
T:なんか、トラック作れる人のギターとか。トラック作れる人のベースのフレージングとかって何か特徴的だったりするじゃないですか。いい意味でプレーヤー然としてないみたいな、あるいはその楽曲に対して、ベストなアプローチのギタープレイやベースプレイをしてるのかみたいな感じで。
トラックを作れる人が、メロディーを触るっていう行為は、他のアーティストとかだと、vivaolaくんとかも多分きっとそういうアプローチをしていて、自分で歌も作るし、トラックも作るみたいな。そういう、ありものの曲に対して、メロディを乗っけるんじゃなくて、プリプロの段階からメロディーとトラックメイキングが融合している状態で曲が完成していく、そこの音楽的な自由さみたいなものを僕はlo-key から感じていますね。
M:めちゃくちゃ嬉しいです。saltoがいたらもうずっとニヤニヤしていると思います。
>逆にmarsh willowさんから見たTAARさんの印象はどうでしたか??
M:はい。それこそ、ちょっと他の方の名前を出してしまってちょっと申し訳ないんですけど、僕が大学生の時に、それまではその日本のアーティストをあんまり知らなかったんですけど、iriさんを大学生になって聞くようになって、そのときにiriさんのいろんな曲を聴いている中で「come together」を発見して、
僕もそのときプロデューサーっていうものにすごく興味を感じていた時期で、自分でクレジットとか見て調べたりとかもしていて、そこからTAARさんを知りました。その時に「come together」のリミックスEP聴いて、僕それまでそのリミックスをすごく食わず嫌いというか、 なんか昔すごくミーハーだったんで、なんかちょっとひねくれていたところもあって、なんかリミックスって、お得感ないなみたいな。
でもTAARさんにも1回言ったんですけど「come together」のそのリミックスを聞いて、同じ歌で、同じようなテンポ感で歌ってるのに、ビートを作る人が違ったりアレンジが違うだけでこんなに表情が違うんだって衝撃を受けて。そこから 「Astronotes in disco]も聞かせていただいて、プロデューサーってめちゃくちゃかっこいいなって思って。ご本人に言うのは恥ずかしいんですけど、聴きながら、曲の作り方を勉強させてもらっていました。なので、メッセージいただいたときは本当にびっくりしましたね。
~「Cruise TAAR Remix」制作秘話や楽曲の感想 ~
M:それこそ、NexToneさんとのミーティングの中で、どのアーティストと一緒に曲を作りたいかっていうお話になり、最初は恐れ多くてなかなかTAARさんのお名前出せなかったんですけど、saltoと「TAARさんにお願いしてみようよ!」となり、オファーさせていただきました。
「どの曲をやっていただくか?」というので、最初めちゃめちゃ迷いましたけど、TAARさんとの最初のミーティングで「Cruise」を一緒に決めさせてもらいました。
どの曲にするかは凄く悩んだんですが、TAARさんの普段のビートと合わさった時に一番ギャップのある曲で、かつ思い入れのある曲ってのがやっぱり「Cruise」でした。
実際にお願いして、Demo届くまでめちゃめちゃ楽しみに待ってて。
投げていただいたものを最初に聴いて、かっこよすぎて爆笑してしまいました!
聴いてすぐsaltoに電話して「これやばくない?」って話して、一日中聴かせてもらってました。
「テンポちょっと上げていいですか?」とTAARさんから連絡してもらって、
その時はどうなるんだろう?って思って、やっぱりTAARさんの曲は四つ打ちのイメージがあるから、四つ打ちのちょっとテンポがミッドぐらいのものが返ってくるのかなって思ってたら、
それより遥かに早いBPMでドラムンベースのビートが返ってきて、ワーッと言葉を失ってしまうような衝撃を今でも覚えてます。
T:ありがとうございます!
なんか直前に出してた曲とか、ここ最近のワークスとかとBPM帯が全く違ってたから、
最初オファーを頂いた時は、結構これカマされてるなって思って、
「お前できんのこのリミックス、これどういう風にお前だったらアレンジすんの?」みたいな感じに(笑)
M:いやいやいやいや…(笑)そんなことないですって (笑)
T:もちろんそれってアーティストとしてすごく光栄なことで、
世の中に出してる、それっぽい今までのワークスの感じっていうものを欲しいんじゃなくて、
あなたは今、この曲に対してどう解釈しますか?っていう、より一歩深い部分での音楽解釈のキャッチボールのコミュニケーションだと思ってて、なんかそういうオファーをいただいたのでやっぱりすごく燃えたんですよ。
背筋が伸びるというか気合が入って、ちょっといいお題をもらったので最高の形で打ち返すというか、いい大喜利ができたらいいなと思って、ドラムンベースかなって思いました。
この曲がlo-keyさんにとって今後どういう扱いにされるかどうかは、わかんないんですけど、
lo-keyさんのライブをもし想像したときに、この倍速のリズムを半分で取りながらゆったり歌うsaltoくんとかの情景がなんとなく浮かんで、何か他の楽曲たちの中でこういう曲があったら多分ライブ盛り上がるかなあとか思って。
そういうダンスミュージックが僕の主戦場なので、僕の持ってるボキャブラリーの中で、どういうアプローチがいいかなって思ったら、やっぱああいうドラムンベースの振る舞いをするようなトラックがいいんじゃないのかなって思いました。
(M:いやあ~嬉しい)
T:なんかね、原曲からコードとか元々かっこいいじゃない。
やっぱりソウルミュージック・ブラックミュージックの匂いがしてるし、すごいスローなダウンビートなので、それをより強烈に感じさせるには、ビートを早くした方が、もしかしたら逆によりチルに聞こえるのかなとか思ったり。
それが最初、作る前までの感想かな。
あと、今回ね、demoを1回投げさせていただいた後にボーカルを再録するっていう、話になったんですよ。
M:いや大変お待たせしてしまい申し訳なかったです…
T:リミックスワークスでボーカル再録するって、これもう完全に何かリアレンジやん!みたいな(笑)
なんかもうリミックスっていうのがもったいないぐらい、lo-keyさんたちもこの曲に対して、すごい労力をかけてくれてね、一緒に共作みたいな感じで作れたのがすごく良かったなって思う。
でもやっぱいい曲はイメージ湧くし、すごい楽しく、音楽作れました。
(M:いやあ…めちゃめちゃ嬉しいです!)
T:こだわった点はやっぱmarsh willowくんがすごく音楽的に豊かなボキャブラリーを持ってるので、いろんなブラックミュージック・ソウルミュージックとかベースの鳴らし方だったり、コードの動かし方に対してのメロディーの乗せ方とかすごいインテリジェンスを感じるので、
あんまりアホアホなダンスミュージックみたいな感じにはしたくないなって思って、綺麗さというか上品さを残したいなっていうのは、こだわった点ですね。
あとね、あの例の曲のようなフレージングをちょっと入れたりしてて…!
あの曲、絶対好きだろうなって思ってて。
M:教えてもらったとき、僕めっちゃ喜びましたもんね!
T:イントロのブラスのフレーズを、ちょっとオマージュというか、リスペクトというか、
原曲の「Cruise」を聞いたときに、なんとなくあの時代のAOR感を感じていたので、
なんか過去の名曲たちから地続きにあるよみたいなそういう振る舞いをこのリミックスにはさせたくて、と思ってました!
>リミックスだけれども、ボーカル再録ってなった、そこのきっかけは?
M:それこそリミックスは、今まで自分たちだけで完結することが多かったんでボーカルを録り直すっていう発想はもちろんなかったんですけど、TAARさんにお願いできるチャンスということで、「ちょっと、録り直さん?」と思っていたら、saltoも「これは録り直したいわ!」と言っていて、ハナから撮りなおすつもりでいたんですが、ビートを送っていただいた時点で、「やっぱ、ちょっとこれは録り直すしかないわ」ってなりました。
最初は、何回も歌ってる曲だし半月以内に録ってTAARさんの方にお送りできるだろうと思っていたんですけど、saltoも熱が入ってめちゃめちゃストイックにレコーディングしてくれて。
でもTAARさんにはもう2ヶ月ぐらいですかね、お待たせしてしまって本当に申し訳なかったんですけど、そのおかげでこだわりの魂のテイクが録れたので!
だから最初から想定はしてましたね。レコーディングし直すっていうことで。
T:既にリリースされてる曲に対して、また再録するって結構ボーカリストとして、あれを超えてかなきゃいけないみたいな感じで、ハードルが高いっていうかカロリーが高いクリエイティブだと思うんですよ。
それをsaltoくんも超えてきてくれて、新しいフェイクを入れたりとか、Aメロとかメロディーが微妙に変わってたり、そういう違いとかを聞いてる人たちは多分感じれるかなって。
あとね、録り音がすごい良かったんですよ!
今回のこだわりポイントの一つなんですが、ミックスもマスタリングもセルフでやらさせていただいたんですよね。ボーカルのエディットとかすごい楽しかったな…!ピッチもすごい綺麗だったからほとんど触ってないし、すごく歌が伸びやかに歌えているようなミックスになってますね。
ミックス具合どうだった?
M:いやもうめちゃめちゃ最高でした!!!
T:ほんと?良かった~!
これじゃねえとか言われたらどうしようかなって笑
ミックスって結構さ、個人差というか好みでるじゃない。結構ヒヤヒヤしながら、この感じで大丈夫?みたいな感じで、送らせていただいたら一発OKだったんで、ありがたかったです。
M:それこそ自分も専門知識とが全然まだまだなんですけど、自分たち名義の曲は全部自分でミックスやマスタリングをしているので、それで同じ曲「Cruise」をミックスしてる身からしても、「やっぱTAARさん、すげーな。同じ素材を使ってもこんな風にできるんだ!」と思いましたもん。
この今回の「Cruise」のリミックスに関して、saltoとTAARさんのやりとりを間近でみて、いろいろ勉強させてもらえるところがいっぱいあって、そういう意味でもめちゃめちゃいい経験でした。
ミックス前とミックスしたものと両方聴ける美味しい立場だった(笑)
T:そっかそっか、そうだよね!
demoのときはざっくりとしたラフミックスだから。確かに…恥ずかしいな。
そう思ったらなんか。恥ずかしくなってきた…
マスターとかもね、今回初めて買ったプラグインを使わせていただいて、
めちゃくちゃいいサチュレーション感でしょ。歪み感出てるでしょ。
M:いや、そうですね~!もうピークのあの感じがちょっとたまらなかったですね。
T:ザラっとしてるあの感じね!
M:TAARさん、ツイートされてましたよね?
T:そうそう!!トーンシェイパーのあれ。
M:絶対「Cruise」のことやと思ってましたもん!
T:いやあ、今回は新しいプラグイン全部試してみました。
M:めっちゃ嬉しい!ありがとうございます!!
~lo-key designの今後について~
>今後の活動について伺えますでしょうか?
m:コロナ禍でLIVE活動ができない中、楽曲制作に力を入れて一つの目標でもあったALを出すことができました。
そんなALリリース後の一発目の楽曲をTAARさんにRemixいただいて本当に感謝しています。いまもすごく良いモチベーションで音楽制作をすることができているので、このモチベーション継続して制作を続けられればと思っています!
m:さらに、この場を借りてTAARさんへもう一つお願いがありまして…
YOSA&TAAR×lo-key designを実現できればと思っているんですが…
T:もう、すぐやろう!すぐ!
m:ありがとうございます!
T:でも、ほんと僕やることなくなるよね(笑)
marsh willow君くんいたら、ほんとやることないよー。
ぼく後ろで手組んで「いいね!いいね!」ってやる係やるね!
自称「クリエイティブディレクター」やろうかな(笑)
M: (笑) TAARさんにもちゃんと作っていただきたいです。
T:いやでも、ほんとやりましょう!やりたいです。
lo-keyファンの自分としては、lo-keyのLIVEが見たいんですよー。
配信されている楽曲を聞くことも、一つの音楽体験ではあるけど、lo-keyのライブは一体どんな音楽体験を見せてくれるか、すごく気になっているし。
いろんな楽器をLIVEで駆使させながら、saltoくんの手綱を握りながら、LIVEをやっている姿をすごい見てみたいです。
そしたら、いろんなフェスで共演とかもしたいですね!
是非LIVE活動を頑張っていただきたいなと思っております。
もし手伝えることがあるのであれば、東京にもお越しいただいて、一緒にやりたいなと。
M:ありがとうございます。めちゃくちゃ練習していきます!
T:映像とか撮っておいて。いろんなとこで公開したりすれば、それキッカケで楽曲の再生数も伸びるし、ALを出した”重み”みたいなのが付いてくると思うので、楽曲制作ももちろん大事ですけど、表現する出口を増やしていくことはすごく重要なことだと、、勝手にプロデューサー目線で思っております。誠に勝手ではございますが(笑)
M:ほんと、ありがたいです。ありがとうございます!
まずはsaltoとスタジオ入って、めちゃくちゃ練習して、ガンガンLIVEしたいなと思っております!是非ゲストとして来てください!
T:とりあえず、遊び行きます!楽しい夜作りましょう!
M:それを楽しみに頑張ります!
T&M ありがとうございました!
Info
タイトル:『Cruise(TAAR Remix)』
アーティスト:lo-key design、TAAR
レーベル:Lo-Key Designs / ArtLed
所属:Lo-Key Designs
Copyright:NexTone
Link: https://nex-tone.link/A00093668
Profile
lo-key design
Instagram: https://www.instagram.com/lo_key_design/
Twitter: https://twitter.com/lo_key_design
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCrGABpC7OJTKIijtkU3ayoQ
シンガーsaltoとトラックメイカーmarsh willowによるユニットプロジェクト。
国内外のR&Bを中心にインスピレーションを受ける彼らは、作詞、作曲、編曲、レコーディング、ミックス、マスタリングまでの全ての制作プロセスを2人で完結させている。随所に新しいアプローチがあり、こだわりを感じるミニマルなトラックは表現力豊かな歌声を際立せている。
TAAR
Instagram: https://www.instagram.com/taar88/
Twitter: https://twitter.com/TAAR88
Spotify:https://t.co/CjmBhXLe1x
Apple Music:https://music.apple.com/jp/artist/taar/334350785
東京を拠点に活動する DJ/プロデューサー。
2015 年 2 月から始まった MODERN DISCO(at 渋谷 SOUND MUSEUM VISION)のレジデント DJ に抜擢。同世代の DJ / プロデューサーYOSA と共にレジデントを務る。
2017 年 2 月に“無重力漂流”をテーマを新しいDisco House Musicで紡いだアルバム『Astronotes in Disco』をリリース。
2018 年夏から YOSA との共同プロジェクト“YOSA & TAAR”をスタートさせ
2019 年3 月に 1st アルバム『Modern Disco Tours』をリリース。eill,odd foot works,Sirup,Taro from Atrractions,向井太一(五十音順)などが参加
プロデューサーとしてもCM音楽やiriの作品に楽曲提供2021年Daokoとの共作「groggy ghost」をリリース。オーガニックでアコースティックなサウンドから現行のクラブミュージックまで、「踊れる音楽」を追求し表現している。
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